フィクション

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1話完結のマーメイド・ストーリー

"優れたビジネスマン"のフリをした怠惰な日常を横切るかのように、夜明け前の眠りから覚めた芸術家が帰ってきた。ロジックの鎧に身を纏った暮らしの中で、だんだんスピードを上げ疾走感を感じながら生きていた。だが、鎧はあくまでも鎧。豆腐メンタルを覆い...
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まどろみの中のサンセット

夢中とは心地良い霧の中を漂っていられる状態のことだ。立ち込めているミストによって視界がさえぎられ、自分の目の前にあるもの以外全く見えなくなっている。まどろみの中さまよい続けている自分がどんな風に見られているのか、有利な立ち位置にいるのか不利...
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第二の男

「第三の男」(英題:The-loser)を書き上げてから11年。当時抱えていた憂鬱さは形を変えながら抱き続けてきた。もちろん、形式上はloserでなくなったかもしれない。ただ、この男が青空の下で陽気になっている姿は全く似合わず、どこかネオン...
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ボトルレターを手渡しした夜

「臆病な小説家ほど、物語の主人公に冒険をさせる」今宵もそんな主人公に冒険をしてもらおう。俺自身はもう冒険できないからね。(BGMでも聴きながらどうぞ)実質的にコロナ禍が終焉した夜、主人公は久しぶりに大都会のネオンライトを浴びながら歩いていた...