2013-07

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帰り道ブルース

夏の夕暮れは寂しくない。僕との別れを惜しむかのように、ずっと空が微笑んでいてくれるから。夏の夕暮れは悲しくない。後ろから抱きしめてくれるかのように、穏やかな風がそっと身を包んでくれるから。そんな夏の夕暮れと戯れてみたくて、僕はいつもの電車に...
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ネオン街の悪夢

道がそこにあれば、ひたすら真っ直ぐ歩いてきた。真っ直ぐ歩く以外に、歩き方を知らない。人がそこにいれば、ひたすら相手を理解しようとし、心を開いてきた。相手に尽くす以外に、人付き合いの方法を知らない。誰かの笑顔を見るためならば、自分の身を削るこ...
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同じ海を見ていた

「ずいぶん、遠くまで来たな・・・」360度どこを見渡しても青い景色が広がる世界。目下に広がるのは穏やかな太陽に照らされた海。水平線を境に俺のいる空間を包んでいる空。また一機、大きな翼を持つ鉄の鳥が轟音を立てながら飛んでいく。俺は鉄格子に腕組...