木更津ベースに来てから、もうすぐ2年が経とうとしている。たまに誰かを呼んで周辺で遊んでいるのだが、これが楽しい。都会のオフィスで無理して使っている東京ことばから逃れ、田舎者丸出しの喋り方で普段言えないようなことを言う時間は、リアルな自分の中にDavyを取り込める至福の時だ。
先日はトマトが似合う笑顔が眩しい女性陣とトマト狩りに行ってきた。トマトは苦手なのだが(笑)
おそらく許可がおりないだろうから、トマトの写真で勘弁していただこう。
そのうちの1人は、木更津ベース訪問が初めてで、同い年ということもありなかなか新鮮な環境だったようで、彼女と話していて色々思い出したことがあるので、今日はそのことを書いておこう。
「買い物にかける時間」について、だ。
普段、みなさんは昼食で、例えば500円のコンビニ弁当を買う時、どれくらい時間をかけるだろうか。
食べたいものが決まっている時は店に入る前にどの商品にするか決まっていることもあるだろう。だが、毎日のことだ。なかなか食べたいものが決まらず商品棚の前をウロウロすることもあるだろう。
とはいえ、そこにかける時間は平均するとせいぜい2分程度ではないか。なぜなら、1時間という短い昼休みの貴重な時間を無駄にしたくないし、仮に選択を間違えたとしても、夕食までの時間に不満を抱えながら仕事をするだけだ。
これが50,000円の服を買う時はどうだろう?決して安い金額とは言えないし、人によっては家賃に近い金額かもしれない。見た目とかブランドとかで「欲しい!」と思うことはあっても、なかなか衝動買いするにはハードルが高い金額だ。リアルな店舗とネットの金額・バージョンを比較したり、似たような雰囲気でもう少し値段の安いものを吟味したり、そこそこ悩むだろう。とはいえ、結果的に気に入らなくなったり飽きてしまったりしても、次のシーズンが訪れるまでには稼いで取り戻せる金額だろう。となると、悩む時間はトータルでせいぜい200分(=3時間20分)程度なのかもしれない。
では、5,000,000円のクルマを買う時はどうだろう?庶民が乗る一般的な乗用車にしては結構高い部類だし、人によっては年収に近い金額かもしれない。もちろん、年収そのものを全てクルマ購入代にあてるわけにはいかず、1年程度で取り戻せる金額ではない。だから、購入する前には下調べしたり、何回も試乗したり、事前の情報収集をきちんとした上で納得した場合に限り初めて購入という決断に踏み切れる。とはいえ、一生に一度しか買えないようなものでもなく、10年もすれば次のクルマの購入を検討しているだろう。この場合の購入までの検討時間は、トータルで20,000分(13日と21時間20分)くらいだろうか。
ここまで書けばお気付きだろうが、購入に向けた検討時間はおおよそ価格に比例するものだ。逆に言うと、そのくらい時間をかけて検討するのが適正時間ともいえる。今日の昼食で買う500円のコンビニ弁当のために約2週間前から寝ずに絶えず検討するようなことはしないし、500万円のクルマを買うのに2分で決めることはよほどの金持ちでない限りありえない。
では、50,000,000円(5千万円)の住宅を購入するのに検討すべき時間はどれくらいだろうか。200,000分(138日と21時間20分)、つまり4ヶ月半以上。しかも、ここで言うのは「トータルで」の時間だから、4ヶ月半以上も寝ずにいたら死んでしまう。例えば1日平均3時間真剣に検討するとして、約1,111日(=約3年間)かかるというわけだ。1日平均2時間なら、約4年半。このくらい検討時間をかけて初めてまともな買い物ができるというものだ。
木更津ベース計画は、2011年から検討していた。そういう意味では2017年9月の完成までには約6年あったのだが、真剣な検討という意味ではトータルで1年半くらいということか。1日平均3時間の検討だったとしても、リサーチに半分の時間しか掛けられていない。だから、なんだかんだ言っても不満点は少なくないし、実を言うとセカンドハウス購入計画すら検討している。こちらは「ポツンと一軒家」に憧れてのものだが(笑)
こんな話をすると、「いや、家のことは時期を見て・・・」「そういう環境になってから・・・」と言われるのだが、実はそんな悠長なことは言っていられないのだ。
確かに、家族構成が固まらないと動けない部分も多分にあるのだが、少なくとも選択肢を揃えるというフェーズはどんな環境にあろうとできるはずだ。例えば、住設の各メーカーの特徴をおさえておくとか。自分の要望をリストにしてまとめておくとか。
ある部分では家づくりに「失敗」したから、あえて言います。十分な検討時間を確保してください。一生に一回の買い物は、後悔した時にはもう遅いのです。
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