これじゃまるで「降る降る詐欺」だな。今週、「東京都心でもうっすらですが積雪がある見込みです」なんてニュースを二度も目にしたけど、二度とも降らなかった。いや、そんなに降らんでしょとは我々素人でも思っていたが。
今日のBGM。相棒のテーマ曲とでもいきますか。
http://files.davystyle.com/aibou.MP3
さて、早速本題。
度々このブログでも取り上げてきた「どこに住むか」という問題。以前、俺はこんな記事を書いた。
満員電車を回避せよ! (2011.11.07)
https://davystyle.com/archives/1133
このように都内に向かう首都圏における鉄道は混雑するものであるが、「比較的」空いている路線などあるものである。
また、各路線によって沿線風景も違う。せっかくなので、各路線について知っている情報をまとめてみようと思う。
都心(皇居)を中心とした場合における、東側の話をする。首都圏の人は東京の西側(中央線、京王、小田急、東急など)には目が向くが、なかなか東側は注目されにくい。最近はスカイツリー効果で少しは注目されるようになったが。だが、東側というのは実に生活には便利なものである。何度も色んな所で申し上げているが、新宿・池袋・渋谷はあくまで「副都心」。「都心」とは東京駅周辺、大手町・日本橋・銀座などを指すのである。都心に出るには、東側に住んでいた方が路線的にも距離的にも便利である。俺と同期で就職が決まった連中も、東側に本社がある会社は少なくないだろう。
東側に伸びる主な路線としては、JR総武線、JR京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線、京成本線だろう。つくばエクスプレスやJR常磐線は「北東」いわゆる「ちばらぎ」方面とする。
この中で、JR京葉線は確かに東に伸びる路線ではあるが、沿線に住宅地が少ないため、今回の対象からは省かせてもらう。
今回ピックアップする主なテーマは以下の通り。
・国交省データ最混雑時1時間における本数と輸送力と混雑率
http://www.mlit.go.jp/common/000226765.pdf
国交省は、各路線の最も激しいラッシュ時における混雑率などのデータを発表している。これに照らし合わせて、各路線を解説していきたい。
・隅田川以東乗車客数上位5駅の家賃相場と乗車客数
主に住宅街が始まるのは、隅田川以東だ。その中での乗車客数上位5駅の家賃相場について取り上げる。ただし、他社との相互乗り入れの結節点に関する駅では、通過人員も統計上含まれてしまうので、除外する(東京メトロ東西線⇔東葉高速鉄道の西船橋駅、京成本線⇔北総鉄道の京成高砂駅、都営浅草線⇔京成押上線の押上駅)。単なる他社線との乗換駅については除外しない(該当駅の近隣住民の数と乗換利用客の数の区別がつかない)ので、乗換駅の方が乗車客数は多めに出る傾向にある。また、乗降客数として発表している会社については、その数を2で割った数を「乗車客数」とする。表では、HOMES調べにおける1K、2LDKの賃貸物件の家賃相場を掲載、最速時間と平均時間の単位は「分」である。
・主要駅7:45-8:45に到着する便の中の最速達種別の所要時間とその本数
路線により最も激しいラッシュの1時間というものは異なるが、条件を同じくするために、主要駅に7:45-8:45に到着する便の最速達種別の所要時間と本数、全種別を統合した平均所要時間について記述する。ここで言う主要駅とは、JR路線の場合「東京駅」、東京メトロ・都営地下鉄の場合は「日本橋駅」とする。また、JR総武線については名称は1つだが、路線別複々線となっており、運行形態もバラバラであるため、分けて記述する。総武緩行線(各駅停車)については、適切な場所で総武快速線電車に乗り換えることを前提とする。都営地下鉄新宿線の場合は、馬喰横山/東日本橋乗換、浅草線で日本橋という経路。京成本線については、青砥より京成押上線に入り、そのまま都営浅草線に乗り入れて日本橋という経路。
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★JR総武緩行線(統計対象範囲:両国~千葉、【快速線・共用部分は青色、緩行線単体部分は黄色】)
いわゆる黄色い電車。中央・総武線各駅停車。E231系と209系が使用されており、全列車10両編成である。西側の終点は三鷹か中野、東側の終点は津田沼か千葉、時々西船橋。早朝深夜時間帯については、中央線各駅停車部分には乗り入れず、御茶ノ水で折り返しとなる。都内でも相当な主要路線であるため、運行本数も比較的多く、終電時間も遅い。錦糸町~千葉は総武快速線が並行しているが、違う線路を走っているため、他社のように「通過待ち」などは無い。
終日混んでいるのが特徴である。特に、緩行線単体部分である御茶ノ水~錦糸町は混雑率が高く、ラッシュ時における混雑率は201%(錦糸町~両国)と、日本一である。最ラッシュは7:34~8:34。26本/時。輸送力は38,480人、実際の輸送人員は77,376人となっている。統計対象区間における昼間の表定速度は約47km/h。この路線自体や相互乗り入れ先の中央線・東京メトロ東西線でのトラブルの影響を受けやすく、比較的事故による運転見合わせや遅延が発生しやすい路線である。
沿線の特徴としては、駅前が開発されている場合が多い。各駅に何かしらの商業施設や歓楽街などがあることが特徴である。つまり、買い物には困らない。バス路線も多く乗り入れているため、駅から徒歩圏内でない人も多く利用する。家賃相場は高めだが、栄えている街に住みたい人、アクセス重視の人にとってはオススメの路線である。
★JR総武快速線(統計対象範囲:錦糸町~千葉、青色)
いわゆる「スカ色」の電車がやってくる。多くは東京駅より先はJR横須賀線と相互乗り入れをしている。東側においては、JR総武本線・JR内房線・JR外房線と相互乗り入れしている電車もある。西側の終点は逗子・久里浜・東京が多く、東側の終点は千葉・君津・上総一ノ宮・成田空港が多い。E217系が使用されており、11両編成、あるいは増結車4両を組み合わせて15両編成として運行している。どちらも、2両はグリーン車となっていて、利用するにはグリーン券が必要である。錦糸町より西側においては、総武緩行線とは異なるルートをとり、馬喰町・新日本橋・東京の順に停車していく。横須賀線乗り入れ電車においては、新橋・品川・横浜方面に乗換なしで行けるので、便利である。特急電車(成田エクスプレスなど)と線路を共用しており、一部電車に通過待ちなどがあることもある。また、朝晩においては「通勤快速」の設定もある。統計対象範囲では、錦糸町・船橋・千葉に停車する。快速と所要時間に大差はない。この路線や総武緩行線にはトラブルが多いが、乗り入れ先や線路が並行している路線(東海道線・京浜東北線など)、場合によっては埼京線などのトラブルの影響を受けることもあり、運転見合わせになりやすい。
朝ラッシュ時は本数が多いが、昼間や夕方は本数が圧倒的に少なく(4~5本/時)、終日混雑傾向にある。また、グリーン車の隣の車両は混雑する傾向にある。最混雑区間は新小岩~錦糸町(7:34~8:34)、19本/時、輸送能力は35,340人、実際の輸送人員は62,675人。混雑率は177%。ただし、グリーン車は輸送能力が低いため、普通車においては数字以上に混雑している。また、長距離客が多いので、なかなか席が空かない。昼間における統計区間の表定速度は約68km/h。
★都営新宿線(統計対象範囲:森下~本八幡、緑色)
都営地下鉄の路線。都営新宿線の範囲は新宿~本八幡(この駅のみ千葉県)。地下鉄だが、大島以東一之江以西は高架である。京王新線(京王線・京王相模原線)と相互乗り入れしており、西側の終点は笹塚・新宿(各停)、橋本(急行等)が多い。東側の終点は本八幡が多い。昼間の時間は急行運転をしており、新宿・市ヶ谷・神保町・馬喰横山・森下・大島・船堀・本八幡に停車する。通勤快速や快速については、都営新宿線・京王新線内は各駅に停まり、京王線内でその種別での運行となる。また、新宿線内は各停とし、京王線内で急行になる電車もある。車両については、都営車両10-000形、10-300(R)型、京王車両9030系が使用される。京王車両については全列車10両編成であり、都営車両については8両編成と10両編成が混在する。急行は10両編成である。
比較的トラブルの少ない路線である。特に西行きに関しては朝ラッシュ時もほぼ時間通りに運行されることが多い。東行きに関しては京王線内での遅延を引きずる場合がある。また、京王線内で事故があった場合など、急行の運転が中止になる場合もある。日中は特に、夕方や夜間においても、他路線ほど混雑しないのが特徴である。席に座れることも多い。乗換駅では、階段に近い車両が極端に混雑する傾向がある。また、当然のごとく、10両編成よりも8両編成の方が混雑する。各種別間においての混雑の差はあまり無い。
朝ラッシュ時の本数は、他路線に比べてそんなに多くない(3~4分に1本)。また、8両編成での運行も多い。最混雑区間は、西大島~住吉(7:50~8:50)、16本/時、輸送能力は19,880人、輸送人員は29,916人。混雑率は150%。昼間における統計区間での表定速度は急行:約52km/h、各停:約38km/h。
沿線の特徴としては、駅周辺に歓楽街はほぼ無い。必要最低限のコンビニ・スーパーや外食チェーンなどがある程度。落ち着いた環境である。また、周辺に緑(公園)が多いのも特徴である。駅によって格差があるが、バス路線も多く乗り入れている駅もある。他路線と違って、急行停車駅が必ずしも栄えているわけでもなく、各停停車駅でも栄えている駅もある。また、駅間距離が短いのが特徴だ。都心部分での新宿線の駅が主要とされている駅というより乗換駅であるため敬遠されているのも一因か。ただ、落ち着いた路線であり、周辺路線に比べて家賃相場がそれほど高くないため、電車や街の混雑を嫌う人、子育て世代のファミリー層にとってはオススメの路線である。
★東京メトロ東西線(統計対象範囲:門前仲町~西船橋、水色)
東京メトロの路線。範囲としては中野~西船橋。地下鉄だが、南砂町以東は高架となっている。西側ではJR中央緩行線に乗り入れており、東側では東葉高速線、朝晩はJR総武緩行線に乗り入れている。そのため終点は、西側においては中野か三鷹が多く、東側においては西船橋か東葉勝田台、朝夕は津田沼が多い。全列車10両編成となっている。使用車両は、メトロ車は05系、07系、15000系、JR車はE231系800番台、東葉車は2000系となっている。通勤快速・快速が設定されており、東陽町以東は通過駅が設けられている。快速については東陽町を過ぎると、浦安・西船橋の順に停まり、通勤快速は南砂町・西葛西・葛西にも停車する。快速も含め、東葉高速線内は各停となっているが、平日夕方の一部に「東葉快速」という種別が設けられており、東葉線内にも通過駅が設けられている。西船橋を過ぎると、北習志野・八千代緑が丘・東葉勝田台に停車する。
この路線の特徴を一言で言うと「激混み」。終日両方向とも一部区間を除き混雑する傾向にある。ラッシュ時における混雑は有名であり、対策をとっても効果があまり見られない。最混雑区間は木場~門前仲町(7:50~8:50)で混雑率は199%。私鉄・地下鉄の中では日本一である。27本/時。輸送能力は38,448人、実際の輸送人員は76,553人。総武緩行線に匹敵する数字だが、東西線は西船橋を過ぎると門前仲町まで乗換可能な路線が無く、長距離利用者が多いので混雑率が高い時間が総武緩行線より長い(=体感的には東西線の方が辛い)。東西線はほぼ全ての路線に乗換可能な駅を持っており、茅場町・日本橋・大手町とビジネスの集積地に全て停まるため、利便性は高い。一方、距離をおいて並行する都営新宿線や京葉線は乗換に不便な駅が多いことや利用者の多い駅が少ないため、この2路線の近隣住民でもあえて東西線を利用する人も少なくない。そのため、混雑が激化するという構図だ。また、西船橋から都心区間においては、JRよりも東京メトロの方が圧倒的に運賃が安いため、長距離利用者もかなり多いのが現状だ。昼間の統計区間における表定速度は、快速:約57km/h、各停:約40km/h。
トラブルに関しては比較的多い。乗り入れ先のJR中央線・JR総武線の影響を受けやすいことはもちろん、東西線は海に近く、途中巨大河川・荒川を鉄橋で渡るため、強風の日にはJR京葉線同様運転見合わせになる確率が高い。その場合、西側は東陽町で折り返しとなる。
沿線の特徴としては、マンションが多いことが挙げられる。商業施設もそれなりに揃っており、住むには便利な環境にある。また、海に近いため、気温も落ち着いている。千葉県内、浦安市・市川市についてはあまり地盤は良くないが、それなりにキレイに開発された街も多く、住環境は整っている。バス路線に関してもそこそこある。家賃相場に関しては、JRほどは高くない。乗り入れ先の東葉高速線は運賃がかなり高いので利用者数がそれほど多くないが、東西線の運賃の安さと相殺されるため、北総線ほど運賃の高さが目立たない。こちらは、キレイに開発された美しい街並みが多く、不動産価格もかなり安い。運賃と本数の少なささえ我慢できれば、お買い得である。都心への所要時間を最小限にしたいが家賃はそれなりに抑えたい人、とにかくアクセス・運賃の安さと住環境を重視する人にとってはオススメの路線である。
★京成本線・押上線(北総線)(統計対象範囲:押上~京成成田・印旛日本医大、桃色)
京成電鉄の路線。京成本線としては、京成上野~成田空港。京成押上線としては、押上~青砥。ここでは、日本橋直結を重視するため、日本橋~押上:都営浅草線、押上~青砥:京成押上線、青砥~京成成田:京成本線、京成高砂~印旛日本医大:北総鉄道北総線という相互乗り入れルートをとる。このルートは複雑で、西側では京急線に乗り入れることも多く、東側では成田空港より先は芝山鉄道線に乗り入れることもある。また、京成高砂~成田空港においては、京成本線経由ルートと北総線(成田スカイアクセス線)ルートと2パターンある。西側においても東側においても終点はバラバラで、種別も多く存在する。複雑すぎるので、解説は省く。ただし、全て都営浅草線に直通するものとして考える。
京成本線部分は2つの顔がある。高砂~船橋においては、JR総武線とほぼ並行しているが、こちらの利用者はかなり少ない。所要時間が長いことや各駅周辺は閑散とした住宅街であり、商業についてはJR沿線に全て取られてしまっていることが挙げられる。一方、船橋~成田においては、JRと競合関係にあるが、こちらの方が直線ルートをとる分所要時間が短いため、京成の方が優位である。また、周辺の街も開発されたものが多く、住環境も良好なものとなっている。高砂からは本線とは分岐し、浅草線乗り入れ電車の多くは北総線に直通する。こちらは北総鉄道という別会社の路線であるが、一応京成グループではある。運賃が高いことで評判で、北総線沿線に住むのは敬遠される傾向にある。都心に出る際も、北総+京成+都営と3社にわたって運賃をとられるため、非常に高額となってしまう。
都営浅草線に直通する電車については、ほとんど8両編成である。浅草線内は各停となるものが多いが、北総線を通じ成田空港に向かう「アクセス特急」だけは浅草線内も通過駅が設けられている。車両は5社のものが入るため、種類が多い。
千葉方面の路線としては、混雑率が低い。京成押上線においては、最混雑区間は京成曳舟~押上(7:40~8:40)であり、混雑率は155%。24本/時。京成本線においては、最混雑区間は大神宮下~京成船橋(7:20~8:20)と千葉県内であり、143%。船橋で総武快速線に乗り換えて都心に出る人が多いのだ。乗り入れ先の都営浅草線では、最混雑区間は本所吾妻橋~浅草(7:50~8:50)であり、混雑率はなんと113%という低さ!24本/時。輸送能力は23,040人で、実際の輸送人員は26,040人である。押上線内では新宿線より混雑するが、長距離客が京成本線と北総線に分散するため、混雑率が高い状態が他路線の乗換ができない都営新宿線に比べて比較的短時間で終わる。千葉方面から都心に出るのに、最も通勤が楽な路線といって間違いはないだろう。
青砥~日本橋の昼間の表定速度。アクセス特急:約39km/h。各停:約31km/h。
沿線の特徴としては、京成押上線・本線(船橋以西)においては、前述の通り、商業施設も少なく住宅街と密接している閑静な駅が多い。船橋以東の駅においては開発された住宅街も見られる。北総線については、住宅があまり密集していない場所が多い。東側は千葉ニュータウンとなっており大規模商業施設が多くなっている。ここの特徴は不動産価格が圧倒的に安く、良質なマンションがかなりの安価で手に入る。ただし、運賃はかなり高額なので、会社で定期代を支給される人でないと厳しい。とにかく電車の混雑は絶対にイヤだ、少しでも安い物件に住みたいと考えている人にはオススメの路線である。
まとめると・・・
栄えている街に住みたい!⇒JR総武線
生活環境を重視したい!⇒都営新宿線
とにかく運賃の安さとアクセスの良さを重視!⇒東京メトロ東西線
閑静な下町と不動産価格の安さを重視!⇒京成関連
逆に言えば・・・
ゴミゴミした街はイヤだ!⇒×JR総武線
都内の割に時間かかりすぎ&本数が少ないのは勘弁⇒×都営新宿線
あんな混雑した電車は勘弁⇒×東京メトロ東西線
何もない街&密集した街はイヤだ⇒京成押上線・本線
運賃が高いのは勘弁してくれ⇒東葉高速線・北総線
かなり偏見も含まれてます。ただ、東側もなかなか悪くないだろ?と言いたかっただけです。
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