「あのテレビに映ってるの、何だっけ?」
振り向いて尋ねてみると、答えが返ってくる生活。
今までの俺は想像していなかった。
約23年半、俺は1人で荷物を背負い、あてもなく目の前の道をさまよってきた。
真夜中にアクセルを踏み込み、きらびやかに光る夜の街を駆け抜ける日々に酔いしれていた。
幻想の中にきらめく憧れの自分の姿を、目の前の景色に映し出すことで、いつか夢見た自分になれた気がしていた。
だが、パラダイムは自分ですら気付かないうちにシフトしていた。
いつの日か、俺が走る横で一緒に走る人が現れた。
・・・と言えば随分聞こえはいいが、横から「カッコつけの文章はやめろ!」との声が飛んできたので、やめようと思う。
そう、あれから俺は「俺」であることを捨てる瞬間があった。会社でも、家でも。
かつてないほど女性に助けられた1年だった。
後ろで眠る魔女には、随分教育してもらった。夢だけ見ていれば良かった俺に「裸の王様」でいることをやめさせた。
1人で歩いてきた頃の俺は、気に入らないことがあっても目を背ければ良かった。別の道を進めば良かった。
だが、これから長い人生を歩むことになる時に、器を大きくしておかないと自分が辛くなると教えてくれたのが彼女だった。
俺が描いた理想に「偽善者」のレッテルを貼ったのも彼女だ。本当の優しさを考えるきっかけをくれた。
最高の教育者であり、俺が今後素敵な紳士として生きていくためには不可欠な存在だ。
日付が変わる前に書き終わりたいが、時間が足りない。
愛の言葉はここで語るのは控えておくとするか。
とても書ききれないが、今年もたくさんの愛に包まれて無事に歳をとることができた。
愛すべき全てに感謝して、24歳の1年を生きたいと思う。
プロとして何ができるか。自分がプロだったら何をすべきか。
「カッコつけ」の言葉が、自分の芯となる日がいつか訪れますように。
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