「適齢期」を検証してみる

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「あんたもいい歳だから、そろそろ○○しなさい」
そう言われると反発したくなるだろう。ただ、そのセリフには「みんな(周囲)がそうだから」という理由で言われるだけであり、客観的な根拠が含まれているだろうか疑問である。

私も24歳で結婚を決めた(入籍日は25歳)が、東京にいると「早くない!?」「なんで!?」と驚かれることは少なくない。だが、地元に戻ってみると、高校の友人は多少の時期の前後はあるが結婚に向けての話を進めており、中学以前の同級生に至っては子供がいることも珍しくない。一方、勤務先に目を向けてみると、30代後半や40近くなって結婚しようとしている人も一定数おり、一体「適齢期」とは何なのか、よくわからなくなってきた。

そこで、今回は周囲の環境や感情によるバイアス等を抜きに、客観的な根拠を持って「適齢期」が本当は何歳なのか、出産(子の誕生)や住宅購入を含め検証したいと思う。
なお、予め断っておくが、本記事では人生観や特定人物の生き様について論評するものではなく、あくまで「何歳くらいまでにそれを行えば金銭的に得なのか」ということを解明する目的で記載するものである。(もちろん我が家においても必ずしも記載のような人生を送れているわけではない)

また、前提条件として、主人公は男性であり、主に主人公の収入によって生計を立てているというもので記載する。

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【1】出産(子の誕生)
昨今の情勢から言って、子供の大学卒業までが「養育期間」である。つまり、約22歳まで教育費の支出が発生する。今や「役職定年」という言葉は死語であろうが、給料上昇カーブとしては、55歳を過ぎると下落傾向にある企業が多いだろう。したがって、自分が55歳の時までに子供が22歳である必要がある。
 これらを勘案すると、子供の誕生は遅くとも33歳、妻が妊娠する時期が32歳までであればベストである。母体保護の観点から、第一子はそれ以前であればさらに望ましいだろう。複数の子供を予定している場合には、先程の理屈から言えば、誕生は38歳、妊娠は37歳まで。
よって、出産(妊娠)適齢期は、~32歳(第一子)~37歳(末子)という結論に至る。

【2】家の購入
 多くの人が利用している住宅ローン「フラット35」はタイトル通り、35年掛けて返済することとなる。定年退職時(60歳とする)までに完済するように借りるには、25歳から返済を開始する、つまり25歳に住宅を購入することがベスト。しかしながら、25歳といえば、大卒だと社会人3年目。頭金が貯まっていないケースもある。そこで、返済期間を30年に短縮して考えると、30歳から返済を開始するようになれば良い。返済期間をさらに短くすると月々の返済が厳しくなるケースがある。
 よって、住宅購入適齢期は25歳~30歳。家の建築や物件探しの期間を1年間かかるものとすると、24歳~29歳には住宅購入に向けてのアクションを開始しなければならない。

【3】結婚・結婚に伴う交際
 上記を参考にして、逆算してみる。
 妻が妊娠する時期が32歳となれば、それ以前である必要がある。とはいえ、結婚してすぐに妊娠というわけにもいかず、親族への挨拶・役所や金融機関への手続き・職場も含めた周囲の環境への慣れ、何よりも結婚生活の安定までの期間等を勘案すると、妊娠までに3年程度の期間は必要である。すると、結婚(入籍)は29歳までに済ませる必要がある。
 先程の住宅購入に向けてのアクションのことを考えると、結婚してから2人で新居を考えるケースが多いと考えられるため、29歳というのは最終リミットである。29歳での結婚で、結婚と同時に住宅購入するようなイメージだ。
 そこから、相手と出会い交際する時期を逆算してみる。自分や相手の両親への挨拶、結婚に向けての環境整備、何よりも相手と結婚すると意志を固めることができる期間を考えると、出会ってから入籍日までは2年程度の期間は持ちたいところ。もし相手がいなければ探すところからスタートさせる必要があるため、入籍日の少なくとも3年前からは動き始めなくてはならない。
 よって、交際相手を探し始めるのは遅くとも26歳までにする必要があり、27歳までに交際をスタートさせる必要がある。そして、結婚(入籍日)を29歳までに済ませるべきという結論に至る。

【まとめ;期限】
26歳:交際相手検索開始
27歳:交際開始
29歳:結婚、住宅購入決定
30歳:住宅購入(入居)
32歳:第一子妊娠
33歳:第一子誕生
37歳:末子妊娠
38歳:末子誕生
55歳:第一子大学卒業
60歳:定年、住宅ローン完済、末子大学卒業

以上が、金銭的な面だけを考慮した「適齢期(タイムリミット)」の結果である。
もちろん、これ通りに行う人生が素晴らしいとは言い切れず、個々の事情に応じて変動があるものではあるが、論理的に導き出した1つの目安ということでご理解頂ければ幸いである。

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