晴れる日は穏やかに微笑み、雨の日は大いに涙する、春の空。
いつもよりも気の早い桜の木は、緑に染まり始めている。
モノクロだった景色がカラーに変わるこの季節。
俺は春が好きだ。大学生になった頃から。
自分の時間を自由にデザインできた季節。街を歩けば、足元が色鮮やかに染まっている。時間に追われることなく、ゆっくり足を進めると、目線がかなり低かったあの頃を思い出す。
カタチはかなり変わったけど、あの頃の無邪気さを忘れずに大人になれたと思う。
むしろ、今の方が好奇心はあるかも。そんな気がする。
3月26日。皇居周辺の桜に見送られながら、俺は大学を卒業した。
前半は苦しかったけど、後半はすごく楽しかった。今思えば、数えきれないほどの経験をさせてもらった。
道州制協議会ではたくさんの政治家の皆さんとお話しできた。ちょっと変わった人たちばかりだけど、勢いみたいなものは本物だった。政治家のパーティーにも顔を出させてもらったし、選挙事務所で手伝いもできた。まさに、この国を変えるその現場を目撃できた。
ネット系の報道協会のインターン試験。筆記試験を通過し、有名なジャーナリストの方に生でお会いできたのは嬉しかった。面接で落ちてしまったが、今でもいい思い出だ。
大使館のイベントに参加するという「グローバル」な一面もあったな。
ライブ・コンサートなどのイベントには、本当に多く参加した。ほとんどのチケットの半券は今でも取ってあるが、かなりの量である。
あの曲を聴いて涙を流し、あの曲を聴いて普段見せたことのないような満面の笑みを手に入れた。伝説のグループの復活も見れた。グループ誕生の瞬間も目に焼き付けた。
二度とない瞬間の「目撃者」になれたことを光栄に思う。人生は、いかに多くのきらめく瞬間を目撃したか、が勝負だと思ってるからね。
俺は、自分の大学生活4年間が、本当に幸せなものだったと思っている。「大学」での思い出はそんなに無いんだけど(笑)
色んなものに恵まれた。中でも、「人」に恵まれた。過去にどんなに大きな失敗をしても、まるでそれが無かったかのように、優しく微笑んでくれる仲間がいた。
「神童」と呼ばれトップランナーとして生きた中学時代。
そこそこ名前が売れ、人気者(?)として生きた高校時代。
誇りに思っているが、あの頃は寂しかった。誰が本当の仲間がわからなかった。
かつてに比べれば、大学時代は地味なものだ。これといった実績もない。
だけど、本当に心から尊敬でき、信頼でき、助け合える連中に出会うことができた。何よりの財産だ。
俺は、初めて「ホーム」を築けた気がする。心の故郷。
Twitterも、俺にとってはただのSNSじゃなかった。仲間が増えた。
顔見知りの連中はもちろん、顔も名前も知らないけれど、面白く温かい言葉を発してくれる人々。彼らも大事な大事な仲間ですよ。
家族とは離れて暮らしているけど、俺が寂しがらずに生きられたのは彼らのおかげ。
iDOL Streetメンバーだって、単なる好きなアーティストではなく、なんとなく「身内」みたいな親近感を覚えている。
もちろん、高校時代からずっと憧れていた布袋さんにしても。永ちゃんにしても。
俺に無くてはならない「ホーム」なんだ。
単なるロリコンじゃないってことよ(笑)
そして、俺の4年間に欠かせないもの。京王電鉄での駅員バイト。
2年生の4月から始めて4年生の3月までやっていたから、約3年か。
夢だったんだよ。鉄道会社で働くのが。
小学生の頃の俺は、「電車の車掌さんになりたい」と言っていた。
でも、「もっと上を目指せ」「もったいない」との周囲の反対で、夢を眠らせたんだ。
今の俺なら、自分の意志を貫いたかもしれないけどね。第一、仕事に上も下もないだろ。
心の奥底にしまっておいた夢も、大学1年の冬に目覚めを迎えることになった。
この仕事の存在を知ってから、ぜひやってみたいと思っていた。
そして、鉄道会社の門を叩いた。
人身事故も経験したし、震災後のパニックも経験した。
インフラを支えるって何なのか、身をもって知ることとなった。
人の命を預かり、人の生活を作る。「完璧で当たり前」の世界がどんなに厳しいものかわかった。
社員さんたちは、皆いい人たちだった。たくさん学ばせてもらった。
今日も社員さんから「社会人おめでとう」とのメールをいただいた。泣きそうなくらい嬉しかったね。
バイトの先輩も後輩もいい連中だった。鉄道マニアの先輩は、俺の知らない知識をたくさん教えてくれた。
先輩ながら同学年の友人とは、今後も長い付き合いになるだろう。バイト辞める時に「今までお世話になりました」を唯一言わなかった相手。
俺の知らない知識を教えてくれるし、物事を「わかってる」人。全てにおいて。
夢、叶ったんだ。ほんの少しだけど。鉄道会社で鉄道マンとして働くという夢、叶えたんだ。
だから、新たな夢を探すことにした。
社会人生活2日目が終わった。今の会社、日本橋の某金融機関。業界としてはマイナーだが、俺にとってはかなり興味のある世界。
この会社もなかなか良さそうだ。いい人たちばかりだ。先輩も、同僚も。
ついついホンネをしゃべりすぎてしまうくらいアットホームな雰囲気だ。
とはいえ、まだまだアウェーな世界。不安だらけだし、この先やっていけるのかものすごく心配。
そもそも、俺なんかに通用するのか?俺の風変わりな所が露呈してくるうちに、周囲に嫌われないだろうか?
自信がない。ビクビクしながら、恐る恐る前に進んでいる。たまにスピードオーバーしながら。
俺のような俺でありたい。そう願うばかりに、Davyである俺を仕事場に少しずつ持ち込んでいる。
隠してもしょうがない。どうせいつかはボロが出る。ありのままの俺を知ってもらおうじゃないか。
そうは言っても、自分の事を知られる気恥ずかしさみたいなものもある。「おい、それ言うんじゃねーよ」と言ってしまうのも、怒っているのではなく、そんなちょっとした気恥ずかしさから来るものだ。
AMBIVALENTな心に揺り動かされている。どっしり構えることができるのは、ずいぶん先になりそうか。
今度の夢。幸せな結婚をして、幸せな家庭を築くこと。そして、最高のベース(家)を創ること。
同じ価値観を持つ人に出会えますように。そう祈りながら、朝のラジオ体操を毎日している。
気難しいだけの男から脱皮しないとね。難しいんだけど。今でもやっぱり気難しさを隠しきれずにいる部分はある。
もちろん、本来の味は変えないよ。食べやすく小さくカットし、調理方法をアレンジするだけさ。
そう言い聞かせながら。今までしなかった髪型のセットとかしちゃっている。
1日でも早く、会社を「ホーム」にできるように。
クラッチを少しずつ繋ぎながら、明日も走り出すとするか。
こっちでも近況を伝えていきますよ。プロフィールも変更しなきゃね。
「最後に夢を見てるヤツらに贈るぜ!!」
BOØWY Dreamin’
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