道州制協議会から離れて久しい。それからと言うものの、政治関連の発言をすることが少なくなった。このサイトを見返しても、政治カテゴリーの記事をしばらく書いていないことに気付く。最近は、「結婚できない」話ばかり(笑)久しぶりにご時世を語ってみようじゃないか。
<消費税>
来年から8%、10%と引き上げるらしい。これについては、反対だ。
借金が多いことはわかっている。これに対して穴埋めをしなければならないこともわかっている。だが、消費税を10%にしたところで、借金は完済するのか?または別の使い方をするのか?まったく見えない。
借金を返すことにあてるなら、どうやって完済していくか、そのスケジュールを明確に示すべきだ。これ以上税率を上げるなら、どの時期に何%上げれば何年に完済できるのか?見通しが立たないのに政府に我々の大事なカネを差し上げたところで、意味がない。
他の用途に使うなら、税率を引き上げたことによりどのような効果を生むのか、具体的に示してほしい。社会保障費にあてるなら、今よりどのくらい福祉が充実するのか。公共工事にあてるなら、どの道路がいつくらいに完成するのか。そういった効果が具体化されない以上、カネをドブに捨てるのと同じことだ。
例えば、友達が「カネを貸してくれ」と頼んできたとする。よっぽどの信頼関係がある場合は別として、普通は「何に使うの?」「いつ返してくれるの?」と聞くだろう。それに納得した段階で、「いいよ」と貸すのではないだろうか。目的も返済スケジュールも曖昧なままで貸すバカはいない。政府と国民の関係も同じだ。よっぽど信頼できる政府ならともかく、その逆で全く信用できない政府なんだから、なおさらだ。こういうプロセスを無視して、税率引き上げの話だけが先行しても困る。
また、現在の経済状況で増税をしたらどうなるのか、きちんと考えているのだろうか。お世辞にも好景気とは言えない。円高や株安が続く状況で、我々の暮らしも貧しいままである。貧しい状態から家計の負担を増やしたら、ますますモノが売れなくなるのは明白だ。もう少し、家計に余裕ができてからでないと、国は立ち直っても国民はくたばってしまう。増税をする前に、やるべきことはある。
<原発>
短期的な視点と中長期的な視点に分ける必要がある。
中長期的には、縮小していくべきだ。新規建設予定のものの建設を止めろということではない。むしろこれは作るべきで、老朽化しているものを前倒しして廃止していくべきである。原発を安全度の高いものに切り替え、古いものは順次廃炉にしていく。新たに作るペースよりも、古いものを廃炉にしていくペースを早めることで、全体としての数を減らしていく。やはり、減らしていかなければならないのは、核のゴミの問題だ。プルサーマルなどの取り組みもあったが、ゴミの問題に関してはなかなか画期的な処理方法が見つからない。始末に困るものである。となると、現地点でのコストは比較的安いものであっても、後々の処理コストを考えると、半永久的に動かし続けられる素晴らしい発電方法とは言い難い。他の発電方法のイノベーションの様子を見ながら、全体としての割合は縮小方向にすべきである。
短期的な再稼働は、一刻も早くすべきである。ハード面で動かせるものは最大限動かしていくべきだ。今の日本の議論は「原発を止めるか否か」になってしまっているが、本来は「エネルギーのポートフォリオを組む上で、どのようなアロケーションにするべきなのか」を議論すべきなのだ。全体として最小のコストになるようにその配分を組むべきで、現在の技術水準や発電コストなどを考えると、一定割合は原発に頼らざるを得ないものだと考える。「経済よりも生命」という反原発派の主張はおかしいわけで、生命を守るために経済を動かしていかなくてはならないのだ。となると、電気を自由に使えるような体制にすることは最低条件で、そのために必要ならば原発でも何でも動かすべきだ。同時に、新たな発電方法のコストを下げるためのイノベーションに全力を注ぎ、中長期的にはそちらにシフトできる体制を整えることが必要である。まずは、いかに最小のコストで最大限の発電をするかが、第一に考えるべきことである。
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