オオカミ少年(たまには役立つ記事を)

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窓の外から優しい日差しが降り注ぐ日曜の午後、皆様はいかがお過ごしだろうか。
もちろん外は天然の冷蔵庫と言えるくらい寒いが、部屋の中から日差しを浴びるのはこの上なく心地よい。これが冬の醍醐味だろう。
PC上の身辺整理をすべく、このサイトの記事を振り返ってみたが、なんというか「役に立つ記事が無い!!」。これではせっかく就職して何かの「プロ」になったのに、何も学んでいないことになるし、何も社会に還元できていない。とはいえ、社内規定等もある中で、色々制約もある。そこで、今日は全くの「通りすがりの人」という体で、お金の話をしよう。なお、この話を読んで実行してくれたからと言って、俺にメリットやデメリットは1つも無いということを予め強調しておこう。そして、投資はあくまで自己責任で。

社会人になると、金融機関とのお付き合いが出てくる。銀行、証券会社、保険会社・・・。企業に入れば、企業年金やら確定拠出年金・・・。一般市民としても国民年金やら何やら、お金と縁を切ることはできない。彼らは誰も「ホンネ」は言わない。もちろん、まともな企業なら「ウソ」をついているわけではないが、彼らの不利になるようなことは隠される。国も本当のことを言わない。というより、1つ1つの事象については公にリリースされるが、それらが組み合わさった時どういった意味合いのメッセージなのか、彼らの言葉はわかりにくい。また、メディアやネットの記事等も、一部を切り出してみるだけで、全体像から言えば食い違うことが多い。そして、人はお金に関して疑心暗鬼になっていく(or誰かに騙される)。

「オオカミが来たぞーー!!」

皆そう叫ぶが、どこにどのようなオオカミがいて、それにどう対処すれば良いのかパッケージで教えてくれない。
今日は自分なりのオオカミ対処法をお知らせしよう。

給付抑制で将来水準確保=低所得者への安全網課題―年金改革法
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161214-00000103-jij-pol

昨今、こんなニュースが飛び交い、我々の老後に不安を与えている。そうでなくても、日本の年金は「持たない」と言われ、破綻するわけではないが俺と同世代の人間が老齢年金を給付される時には、その水準は満足いくものではないだろう。少子高齢化に伴う人口バランスのゆがみ、いやそもそも今の高齢者が現役世代の時に支払ってきた年金保険料があまりに少なすぎたからこんな事態を招いたわけではあるが、公的年金に100%の信頼を寄せる者など、まともな若者ならおそらく皆無だろう。

一方で、こんな話も出てきている。

年金のプロが伝授!「個人型確定拠出年金」はこんなにおトク 知らねば損する、とはこのことだ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161206-00050279-gendaibiz-bus_all

2017年から「iDeCo」が始まる。個人型確定拠出年金は今までもあったものだが、大きく制度改正され、利用できる対象者が大幅に増える。この制度は、簡単に言えば、以下の通りだ。

① 毎月少しずつ老後に向けて投資(貯金)しなさい。その分だけ所得税等の税金を免除しますよ。
② 頑張って自分で運用してお金を増やしなさい。増やした利益についての税金は免除しますよ。
③ 60歳になったら増やしたお金(元本+運用益)を受け取れますよ。そのお金は退職金とかと同じ扱いにして税金を安くしますよ。
(④ これだけ税金優遇してあげるんだから、老後のお金は自助努力で何とかしなさい。その分、国が用意する公的年金は減らしますよ。)

④は国からの裏メッセージだ。つまり、株とかの運用は「一部のお金持ちだけ」「ギャンブル好きの人だけ」とかと言っていられないのだ。国民全員がお金を働かせて自分で増やしていかないといけない時代に突入しているのだ。

iDeCoについての詳細な説明は省くが、今まで得た知識を活かして、「普通の人」がギャンブルすることなく運用する方法を考え方だけ教えよう。
もちろんiDeCoに使っても良いし、証券会社でNISA口座を開いて使っても良い。「NISA」も国民が自助努力でお金を増やすために税金を優遇している制度であり、活用しない手はない。

A.毎月、一定額を投資する
B.あらゆる資産に分散投資
C.運用成果に一喜一憂しない
D.安くなったら買う、高くなったら売る
E.手数料が最も安い投信をネット証券で買う

この5原則さえ守っていれば、大負けすることはまず無い。「株の世界は9割負ける」「素人は手を出すな」というのは、どこかの企業の株を一本釣りのような形で買っている人の負け惜しみであり、「インデックス投信」のような何百、何千もの銘柄を少しずつ持ってパッケージにしているような商品の話ではない。

A.毎月、一定額を投資する
文字通り、きちんと解釈して欲しい。何があっても、「毎月」変わらず投資。「一定額」金額を変動させずに投資。SBI証券の「投信積立」のようなシステムで、機械的に一定の投資を続けていく。「ドルコスト平均法」という理屈に基づくものであるが、平均購入額が安くなるというもの。だが、それ以上にこのシステムにはメリットがある。人は、間違える。人の恣意的な判断は間違うことが多い。「もう少し安くなってから買いたい」「今上がりそうだから買いたい」人は色々な思いに左右され、客観的に冷静な判断を下すことは容易ではない。それ以前に、プロはスーパーコンピューターのような機械を駆使し、月に何百万円も利用料が掛かる情報端末を使い、この道何十年のようなベテランが議論を重ね、投資判断を組織的な意思決定の下、下している。素人が恣意的な判断で勝とうと思う方が無理。機械的に理論に従って投資すべき。

B.あらゆる資産に分散投資
この2つの記事を見て頂きたい。
①NY株、一時2万ドルに迫る 米3指数が最高値(2016/12/14 12:03)
②NY商品 原油が続落、ドル高重荷 金急落で10カ月半ぶり安値(2016/12/16 6:01)
トランプ相場で日米ともに株式市場が盛り上がっていることはニュース等で目にするだろう。①の記事は、ニューヨークの株式市場で株価を示す指数(日本で言う日経平均株価のようなもの)が市場が始まって以来最も高い数値を示しており、株式投資をしていた人は相当儲かっているだろうということだ。一方、同じ金融市場でも、②の記事のように「金(ゴールド)」に投資していた人は「10ヶ月半ぶり安値」と出ているように、商品価格が下がって損をしていた可能性がある。金(ゴールド)は金そのものに価値がある(地球上にある量が僅少であることから値段が暴落しにくい)ことから安全資産と言われ、「純金積み立てコツコツ」のCMにあるように資産形成のために投資する人も少なくない。ただ、今みたく株のようなリスク資産がどんどん買われているような情勢だと、金から資金を引き揚げて株に投資する人も少なくない。よって、金の価格は下がる。このように、同じ情勢下の「投資」でも、何に投資したかによって値動きは異なってくる。もちろん、株価が下がって、金が急騰するというケースも多いに考えられる。よって、異なった値動きの資産を少しずつ持っていれば、まるでシーソーの真ん中に立っているように、経済情勢に左右されにくくなるということだ。

C.運用成果に一喜一憂しない
基本は長期投資。経済情勢は常に変化するものだし、過去10年間を見ても、1つの資産だけが勝ち続けていくことなど無い。毎年、儲かる資産、損する資産は異なる。一旦、投信積立のシステムを組んだら、しばらくサイトを開かずに放っておいても良いくらいだ。

D.安くなったら買う、高くなったら売る
これはスーパーの買い物やヤフオクとかと一緒。安いバーゲン・セールの時期に欲しいものを買い、人気が出てきて高くなった時にブランドもののコートをヤフオクとかに出したら高く売れるのと原理は一緒。なぜか投資となるとそれを忘れて逆の方に走ってしまう人が多いのだが。「○○ショック」「○○株、暴落」とか悲壮感漂うニュースが出てきた時は、株式のバーゲンのお知らせだと思った方がいい。金融雑誌だけでなく、一般大衆紙にまで「皆さん、株を始めましょう」「○○株が今、買いだ!」などと記事が出たら、そろそろバブル終了のサイン。最高値で売ろうなどとは思わず、トータルで利益が出ていたとしたら売却すればいい。周りが浮かれている時こそ、自分が保有する資産をいつ売るか、緊張感を高める時期なのだ。

E.手数料が安い投信をネット証券で買う
銀行窓口や営業員経由で投信を買うのは論外。買うなら必ずネット専業証券。SBI、楽天、マネックス。こういった所で手数料の安い投信を選ぶ。
費用がかかるポイントは大きく2つ。「購入時手数料」「信託報酬」。前者は投信を購入する時のみかかる費用。「ノーロード」と言った購入時手数料無料の商品も最近は多いので、それを選ぼう。「購入時手数料3%」の商品を買うということは、100万円投資したつもりでも、実際は97万円からのスタートということになってします。後者は、投信を保有している間ずっとかかる費用。「信託報酬年率2%」の商品は、例えば運用成果そのものが±0%なら、毎年-2%ずつ資産が減っていくのと同じこと。最近は信託報酬のコスト競争が熾烈になってきており、年率0.5%を切る商品も珍しくない(インデックス投信に多い)。できるだけコストの安いものを買うこと。くれぐれも「外貨建て変額保険」を「銀行窓口で買う」などという愚行はしないように。

最後に、「元本保証ほど安心できない言葉はない」とだけ言い残して、今回の記事を締めくくろう。

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