権利は主張しない者から奪われていく

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なんだか、やたらと難しそうなタイトル。そして、この記事の投稿時間。何から何までおかしい。そんな気がするだろう。

まぁ、これは「たまにはブログを書くべきだ」という気持ちと明日か明後日配信されるPodcastへのつなぎと言った所で。だから、短めね。多分、今日の仕事はハードそうだから。

そんなにライトな記事でもないので、良かったらこれをBGMにして聴いて下さい。久し振りの氷室さんの曲。
氷室京介「GONNA BE ROGUE?」

cunh氏のブログとの勝手なコラボ企画。そして、それに関連してある友人のブログを見て触発されたので、書こうか。

「権利は主張しない者から奪われていく」

cunh氏のブログには時効問題について書かれていた。おそらくこの記事の話のことだろう。

殺人の時効廃止、改正法成立・即日施行へ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100427-OYT1T00684.htm?from=any

それに関するcunh氏の意見を引用。

今までも議論に議論を重ねてきたのは承知ですが、やはり今回の法案は法律不遡及の原則に抵触するのではないかと。これは加害者の保護という観点から重要です。「加害者!?そんな奴に人権はいらない」などと過激なことをおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、それは間違ってます。法律不遡及の原則は重要なのです。しかもこれは大原則として認められてきているのですから。

例えば、あなたがAということをしたとしましょう。それを1年後の法律で「Aをすれば罰する」と定めたとしましょう。法律不遡及の原則が無ければあなたは処罰対象になるのです。だってあなたは、Aということを1年前にやったのですから。

こう考えるとこんな理不尽なことはないですよね。この原則の目的の一つは行動の委縮をさせないことにあります。もしかしたらAは今後処罰対象になるかもしれないから・・・と言ってしないとなると何も怖くてできなくなったしまいます。つまり行動が委縮してしまうのです。

このように、大原則は絶対侵されるべきではなく今回の法案はそれを侵害しかねないものです。そしてこの法案が可決、施行された今、けしてこの法案が悪とは言いませんが、危険をはらんでることを考えないといけないでしょう。そしてこれの適用については各機関の裁量に委ねるしかないでしょう。自分はそれをとりあえずは見守っていこうと思います。

もちろん、彼の意見に異論はない。俺も賛成だ。憲法39条に「遡及処罰の禁止・一時不再理」はきちんと規定されているのだから、記事に書いてある

    「時効の廃止・延長は、施行までに時効が完成しなかった過去の事件にも適用される。」

なんてことはあってはならない。我々の生活は、法律によって制限されている一方で、この39条があるおかげで、我々の生活は守られている。

しかし、俺が注目すべき点は他にある。国民の時効に対する考え方だ。

今、国民は「厳罰化」を求めている。「逃げ得」を許さないとのことだろう。気持ちはわかる。人を傷つけて、人を殺しておいて、逃げのびればチャラになるなんてことがあって良いはずがない。それは罪な話だ。

だが、もし被害者が被害を受けた当時には何もせず、例えば20年後とかになって「今さら」という感じで、被害を主張し始めたらどうだろう?あなたはどちらの味方をするのだろうか?

時効は何も加害者を利するために制定されたものではない。被害者の怠慢を戒めるという目的もあるような気がする。つまり、自分の権利はきちんと主張しろという話だ。その場は黙っておいて、後から文句を言うなという話である。

例えば土地。どこかで聞いた話だが、もし自分名義の土地でも20年間だか放っておいてその間ずっと誰かに使われ続けても、20年自分の権利を主張しなければ、その土地は勝手に使っていた人間のものになるという。

世の中理不尽なことがたくさんある。「そんなの言えないよ」ということもあるだろう。でも、そこは主張しなければならない。声を大にして自分の権利を主張しなくてはならない。そうしない人間は、気付いたら自分には権利が無くなっているということになりかねない。

よく色々押しつけられる人がいるだろう?試験前にずうずうしいヤツにノートをコピーされたり、やたらと面倒な仕事を頼まれたり。厳しいことを言うようだけど、良く言えば「人が良い」、悪く言えば「何も言えないヤツ」。社会というものは、強者が弱者から搾取していく構造だ。搾取が嫌なら、自分できちんと権利を主張しなければならない。

俺は、なるべく自分の権利はハッキリ主張するようにしている。高校時代の成功体験が、自己主張の大切さを教えてくれた。学校側で勝手に決められている強制的な模擬試験の代金を、無理矢理自分の分だけ返金させたのだ。これでよくわかった。そうか、言ったもの勝ちなのだ、と。

「無理だよ」と言うヤツに限って、自分の意見をきちんと言えないヤツであることが多い。自分自身で勝手にタブーを作ってしまっている。でも、まずは言わなければ相手には伝わらない。もちろん、言い方には気を付けるべきだし、権利を主張するからには、自分の義務を果たさなければならないわけではあるが。前原大臣を見習えという話だ。あれが、本来あるべき姿である。

なぜ、小沢さんが強いのか?金を持っているからではない。相手の弱みを握っているからでもない。自分の意見をきちんと表明するからだ。簡単な話だ。自分でおかしいと思ったことをおかしいとハッキリ言えるからだ。

結局、被害者にも「勇気」がいるという話である。

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