平凡な大学生が住宅ローンについて考えてみた

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 日付が変わり、3月22日。夜が明けて太陽が高く昇る頃には、実家を出て東京に向かわなければならない。
第3ステージに入り、常に心に穏やかな太陽を持つように心掛けるようになり、怒ることが無くなった。うまい具合に肩の力が抜けたというか、いい意味で丸くなったというか、圧倒的に居心地が良くなった。ああ、自分は自由のつもりでいて、実は色んなものに縛られていたんだな、とそれまでを振り返ると思う。今はまるで仏様にでもなったかのような、穏やかで平凡ながら、小さな幸せに満ち溢れた日々を送っている。静岡の気候のように。

 大学生活(無職生活?)も指で数えるくらいの日数になってきた。将来についても色々考える。
俺には夢がある。昔のような大きな大きな「世の中を変えてやる!」みたいなもんじゃないけど。平凡だけど、小さな幸せに満ち溢れた夢だ。

 ベースプロジェクト。自分のベース(家)を建てる計画。
最近では「夢のマイホーム」の要素が色濃くなったか。家や設備さえ完璧なら幸せかといえば、そうではない。そこに住まう人も重要だ。
平凡だけど、温かく幸せな家庭を築きたい。見つめ合うのではなく、同じ方向を向いていて、心の底から信頼できるパートナーと他愛ない日々を喜びたい。それが俺の夢だ。

 ここまでは、最近の春の日々のように、温かくて微笑ましい話。でも、現実には色んなハードルが待ち構えている。それらを1つ1つクリアにしていくことが大事だ。
カネで愛は買えない。だけど、カネの面で上手くいかずに愛が崩されていくケースはよくある。だからこそ、カネでつまづかないようにちゃんと計画を立てる必要がある。
残念ながら、俺は就活の際に、カネよりも時間を選んだ。カネよりも私生活を選んだ。比較的自分の時間を持てる会社を選び、東京のど真ん中から動かなくていい権利を獲得した。
その代わり、有り余るほどのカネを生み出すことを放棄した。確かに、日本人の平均給与よりは恵まれている水準にあるが、高ステータスの暮らしができるほどではない。
限りある資源を有効に使うことが求められる。

 若くして住宅を所有するには自己資金だけでは難しい。住宅ローンに頼ることになる。
「Davyマネー術」なんて記事をこれまで書いてきたが、住宅ローンはこれまで勉強してこなかった。だから、同世代の人でこの記事の読者がいたら「一緒に勉強していこう」という気持ちで書いていく。間違っていることや最善ではないことを書くかもしれないが、初心者ドライバーとして許していただきたい。その代わり、初心者目線で物事を見られるというメリットもある。また、住宅ローンに詳しい友人が身近にいて彼から勉強させてもらったこともあるので、少しはまともな記事を書けると思う。

 まず、ローン=借金には「金利」がつきものだ。借りるお金に対する利用料みたいなものか。例えば、我々が国債などの債券を買う時や、更に身近な例を言えば銀行にお金を預ける時・・・つまりこれは、国や銀行に「お金を貸している」ということ。だから、預金にはわずかながらでも利息がつくし、債券を買えば金利分の収入を受け取ることができる。
 一方で、我々がお金を借りる時は逆だ。住宅ローンだけでなく、奨学金でも何でもそうだが、元本(自分が借りた額)に加えて、金利(借りたお金の利用料)も払わなければならない。この金利は元本に対して○%という形で表され、利率は借りる人の信用や借りる目的、経済情勢(長期金利などの動向)によって決められる。各金融機関によって違う。

 住宅ローンは、一般の個人が借りるローンの中では最も低金利で借りることができる金融商品だと言われている。クルマのローンや教育ローンよりはるかに低い金利で借りられる。金融機関が不動産に抵当権を設定することにより、もしお金が返されなかったとしても金融機関がその不動産を売却することで損はある程度免れるという性質があるからというのも1つの理由だろう。また、住宅ローンは景気対策などで政府が優遇する場合が多く、他の借金に比べて借り手側の「損」も少ない商品だ。何千万円にも及ぶ大金を数十年かけて返していく。いくら低い金利でも額の大きさや期間の長さにより、結構金利収入が得られるので、なかなか良い融資先が見つからない金融機関にとってもぜひ利用して欲しい金融商品なのだ。

 さて、問題の「金利」なのだが、「固定金利」と「変動金利」がある。固定の中でも「全期間固定型」や「固定期間選択型」などがあり、変動金利にも様々な種類がある。変動金利(固定期間選択型の期間終了後も含む)は、その時の経済情勢によって金利が決められるというもの。全期間固定型の場合は、借りる時に決められた金利がずっと続くというもの。30年後の経済情勢など誰も予測できない(大幅に上がってるかもしれない)ので、一般的に変動金利よりも固定金利の方が高く設定される。一方で、変動金利は最初はかなり低い金利で借りられるが、将来の経済情勢によっては金利が大幅に上がる(つまり支払うべき額が激増する)リスクも孕んでいる。

 俺は自分の性格を考えて、借入金額全額、少なくとも大部分は全期間固定型で借りたいと考えている。かなりの心配性なので、金利動向にビクビクして暮らしたくないのだ。もし結果的にずっと低金利が続いて変動金利の方が得だったとしても、心配性のこの性格で怯えながら暮らしたくない。「安心料」のつもりで少しばかり高い金利を払ってでも、金利上昇リスクに備えたい。それに今日の金利水準はかなり低い所で推移している。俺が借りる時に高金利なら考え直すが、もし「今」借りるとした場合で考える。数年はこの低金利状態が続くと考えている。ちょうど昨日、日本銀行の総裁・副総裁が変わったが、デフレ脱却・景気拡大のためにしばらくは金融緩和を続けるだろう。お金をたくさん市中に回す⇒お金を調達するのに比較的苦労しない⇒貸出金利も低く据え置かれたまま・・・ということで、しばらくは低金利が続く。ただ、数年後、景気が過熱し、物価目標も達成し、そろそろ景気を落ち着かせなければならない状態になった時、日銀は市中のお金を引き上げるような政策をとるだろう。すると、お金を調達するのに苦労するようになる⇒金利が上がるということになる。今のうちに固定にした方が良いと考えるのは当然ではないか。超長期の返済を考えている人にとっては。(短期で返済できる見込みがある人は、明らかに変動金利を選ぶべきだが)

 全期間固定金利型住宅ローンの代表格は、「フラット35」だ。昔の住宅金融公庫、今の住宅金融支援機構という公的機関が民間金融機関と組んでやっている商品。中でも、耐震性や省エネ性に優れた住宅を対象に貸し出されるのが「フラット35S」。住宅に求められる水準はかなり厳しいが、その代わり金利が抑えられる商品。フラット35Sの中でも以下のように金利が分かれている。
http://www.flat35.com/files/100510522.pdf

 様々な金融機関で扱っているが、金融機関によって貸出金利や付帯サービスが異なってくる。何件か見た中で金利が低い所を紹介する。

SBIモーゲージ
SBIモーゲージ

クレディセゾン
セゾン住宅ローン

そして、見た中で最も金利が低かった所でシミュレーションをしてみた。

日本モーゲージサービス
http://www.m-s-j.jp/

融資手数料「金額指定」パターン
日本モーゲージ手数料額

融資手数料「率指定」パターン
日本モーゲージ手数料率

 諸費用の中に「融資事務手数料」というものがある。多くの会社でこの金額を「31,500円」「52,500円」とか金額で指定できるパターンと、「融資金額×2.1%」などと比率で指定できるパターンがある。計算すればわかるが、事務手数料に関してのみ言えば金額で指定するパターンの方が圧倒的に安い。ただ、その代わり金利、つまり月々の返済額は多くなってくる。初期費用を抑えたいか、月々の返済額を抑えたいかで選択すれば良い。

 俺は月々の返済額を抑えたいので、率で支払う方を選ぶ。
Twitterのサブアカウントをフォローしてくれている人は既知の情報だと思うが、俺が建てようとしている家は、ざっと計算して「土地1,000万+建物等3,500万」程度になる見込みだ。土地は格安の郊外(既にリサーチ・視察済で比較的便利だと個人的には思っている)に買う代わりに、建物等についてはそれなりにまともなものを造りたいと考えている。つまり、4,500万円必要だ。

 頭金については、俺は4月から毎月2万(昇給時には4万、6万)を会社の財形貯蓄(住宅財形なので元本550万までにおける利子は非課税)で天引きしてもらい、毎月3万(全額を住宅頭金に使えるわけではないかもしれないが)を自分で運用してコツコツ貯めたいと考えている。今22歳で32歳までやると10年間。財形貯蓄の利息は無いものと考え、自分の運用で4%を複利運用すると考えると以下の計算式になる。以下のサイトを活用。

いろいろ複利計算シート
http://homepage2.nifty.com/urajijou/chokin/iroirohukuri2.html

「2万×2年+4万×4年+6万×4年(528万)」+「運用元本(360万)+運用利益(895,087円≒90万)」=978万円

ちなみに、ボーナスについては一切考慮していない。全て現在わかっているそれなりに予測ができる情報を元に判断したもの。計算上では10年で1000万近く貯まる計算だ。これで生前贈与の優遇措置を利用して少々援助していただければ、1200万くらいは見込めるだろうか。まぁ、1000万として計算しましょうか。

すると残りは3500万。32歳の時借りると定年まで28年。フラット35Sの金利Aタイプで借りられるとなると、上の「率指定パターン」の図の通りだ。
当初10年(42歳くらいまで)の金利が1.69%、月々130,822円。
その後の金利が1.99%、月々134,214円。
これに加えてフラット35で借りる時に必ず入らなければならない「団信」という生命保険料が加わる。

俺の条件で算出してみた。こちらは年額。
団信等特約料

合計で約4700万円くらいを28年の間に払わなければならないということだ。今出したものに加え、諸経費や火災保険等加わるが、ここでは割愛。

ローンに関して言えば、俺の収入ではこれが限界。ちなみに、奥さんの収入は考えず、完全に俺個人の収入だけで考えている。しかも、ローン返済に関してもボーナス等は一切考慮していない。無いものと考えて計算している。不確定要素を可能な限り排除した形だ。だから、実際にはそれなりに余裕が生まれるんじゃないかと希望的観測を持っている。できるだけ繰上返済(フラット35は繰上返済手数料0円)をして、さっさと返してしまいたい気持ちもある。一方で、せっかくの低利融資、手元に現金をできるだけ多く置いて、自分で金利を上回る運用をしていけば良いのではないかと思ったりもしている。いずれにせよ、ローンの計画は最大限の融資を受けて、余裕ある返済でいけるという計画を作っておくことで、安心感を得たいだけなのかもしれない。本当はもっとたくさん借りられることはわかっているが、できるだけ借金したくない性格なので。

平凡な大学生が無い頭で考えたものですので、その辺はご容赦頂きたい。一応、俺はこの計画で4月から生活していくつもりだ。

お金の運用において、最も有利な材料は「時間」だ。どんなにリスクの高い金融商品でも、時間の長さによる複利運用には太刀打ちできない所がある。若いうちに気付けた人間だけの特権。少しだけでいい。リスクも大して取らなくていい。若い今のうちから運用を少しずつやっていくことで、年老いた時に若き日の自分に感謝できる瞬間が訪れるのではないか。俺はそう信じている。

「まだ先のこと」と思えるうちに。もう子供じゃない。お金については、自分自身できっちりマネジメントしていかないとダメなんだ。

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